元気で多忙でもないのに選挙に行かない有権者が増え、投票率は下がる一方である。
棄権する人の声は、誰に投票したらいいかわからない、誰がやっても同じで庶民の声は行かされないのが政治、投票は無駄その間にリフレッシュした方がいい等々がよく聞くものだ。
これに対し、民主主義を願う人々のよくある論調は次のようなものである。
①日本国民は安倍政権の横暴を理解できない馬鹿が多い。 ②若い人の政治離れは深刻で、日本の未来は危ない。 ③ずれるけど、ムサシを使う不正選挙がある。
③は低投票率とは異なる問題だし、別に書いているので略。 ①と②は、とても多いと思う。しかし、これは、政権側の罠に落ちているというのが、この稿の主張である。
コントロールという語は、安倍首相が東京五輪を誘致するのに、福島原発の放射能は、コントロール(制御)されていると世界に宣伝したのが大きく記憶に残る。実際は、制御不能であるけれど、というか、放置の様であるけど。
社会学で、ソーシャル・コントロール(社会統制)というのは、女子は赤、男子は青を好むのは、遺伝子の問題ではなく親がその色を幼い時から与えるからという様に、文化が人々をコントロールする事をいう。 言語という文化が最大の社会統制であり、民族性形成の大きな要因であるのである。
民族性・国民性は遺伝子で決まるものではない。
コントロールには、日本語にすると、制御、統制、支配などという意味がある。
安倍政権は、マッケティングの専門家をブレーンにネトウヨ・ネトサポを総動員し国民をコントロールして憲法改正を実現し日本を独裁国家としたいのである。独裁者は国民をコントロールできると思うもの、いつのどんな独裁者も。 当然、日本国民の多数からは支持されないので、無力感を植え付けアメとムチで誘導し国民を分断するのに熱心だ。 国民の願いなどは無視なので、街宣すれば「帰れ」と罵声が飛ぶことは承知しているので、TV画面に「やってる感」を演出するよう強要している。
地方の自民党員は、有権者の声には、敏感な人も多いのでネトウヨ化できない人達が造反する事を恐れている。 治安警察・自衛隊・官僚にも造反者が大きく目立ち始めているので、国民弾圧に舵を切る事は、ためらっている。 もう少し、だましだまし乗り切って、憲法さえ変えれば、独裁国家樹立となる。
今の日本の低投票率の原因は、上記の①②ではなく、大きな要因は、 ・安倍政権によるマスコミ・コントロール(支配)が第一である。政権に困った事がある時は決まって芸能人のスキャンダルがぶつけられる、そして、政権に忖度を強要する支配の強化を行っている。以前なら、とうに内閣は崩壊しているのに報道されず薄められているので、有権者の認知につながらない。
・小選挙区制による議会の支配で、抗議や抵抗は無駄であると国民に刷り込んでいる。「いつまでモリカケやっているんだ」等は典型的だ。
・司法や検察や会計監査も支配され、公文書改ざんでさえ無罪であるかのようである。
安倍政権は、政権を支える勢力が実は少数なので、投票率を下げる工作に懸命である。
①や②は、俺はりこうだが、国民がダメ、若者がダメで終わり、自分達に欠けているものは何で、どう克服していくかという論調になっていかなければ、政権を喜ばせるだけである。
民主主義は、クレバー(りこう)な人々には創れない。ワイズ(賢い)有権者にならなければならない。 そして近い所にいる人から仲間にして輪を広げていくことが民主主義なのでしょう。
安倍政権誕生以降、うみだされ広がった新たな表現方法や仲間づくりの方法、スタンディング、フラッシュモブ、コッカイオンドク、コールにスピーチ、チャット街宣、カフェ、SNSを有効に使い楽しんで運動を広げていこう。
従来の方法が絶対的に正しいというあり様は、時代遅れと言うしかない。 強い攻撃的な論調で政権を罵倒すれば、多くの国民がついてくるわけではなく離れていくだけである。安倍与党と野党は攻撃性という点で、同じに見えてくるだけだ。 攻撃には寛容、支配には対話、嘘には真実で、人々を尊重し多様な価値観を許容する新たな文化を創造していこうという「市民と野党の共闘」を創造できていけば、日本にもキャンドル革命は起きるし、それしか、民主主義日本を創る道はないと思う。
選挙に行かない人で、行ってもらえそうな人には野党への不信がある。
上から目線の尊大な人達は、与党の専売特許ではなく、野党の候補者や運動員にもけっこう多い。シニア男子(団塊世代という人も多い)で、兎に角、人の意見は聞かず、自分の意見を押しつける。そういう人は話す時、にこやかな顔ではなく、きつい顔である事が多い。何かに酔っているかの様に見える事もある、きっと自分に酔っている。
聞く方は、イライラして、逃げたくなる。パワハラ加害者というのは、その象徴で、ほとんどシニア男子だ。シニア男子は全員そうだという訳ではない。
野党は、女性候補を増やした方がいい。女性候補の長所は、寛容、非攻撃性、漢字でなくひらがなで語るからストンと腹に落ちることだ。
戦争法反対で多くの人が自分の言葉でスピーチしたが、良かったと評判のものは、ほとんど女性である。
自民党の稲田元防衛相や杉田議員、豊田元議員の様なオヤジ女子は、攻撃的で人権を否定し権力的で、女子はすべて、寛容であると言う訳ではない。
そして、若いママは、保育園の事、ハラスメント被害、安い労働報酬、差別等々で苦しみの日々なので、立候補すれば、選挙に行かない人も行く様になる事がとても多い。
「生活を良くするには政治を変えなきゃ」と届く言葉で語り、運動員もSNS他で動いてくれる人を増やす様に努めれば、投票率は上昇し、アベ自公維は、全滅となる。
麻生内閣は、そうして潰れ、鳩山民主党政権誕生となった。
どんな人にもよい所があり、自分に何かを教えてくれるという姿勢で人に接し、毎日、賢くなっていけば、今の時代の苦しむ人を組織し民主主義を具現していけるだろう。
一方的に己の価値観をおしつけ、皆の声は聞こうともしない、人をリスペクトできない人は、野党であってもファシストであり、新たな時代を創る人ではない。
画像は、第48回衆院選時(2017年10月23日)