後藤さんが殺害された。以下は、妻・リンコさんの声明文です。
私の名前はリンコです。シリアで捕らえられたジャーナリスト、後藤健二の妻です。彼は2014年10月25日、誘拐されました。それ以来、私は彼の解放のため、水面下で休むことなく、尽力し続けてきました。
私は今まで声明を出すことを避けてきました。健二の苦境について世界中のメディアが注目する中で、私は自分の子供と家族を守りたかった。私たち夫婦には、2人の幼い娘がいます。私たちの下の娘は健二が日本を離れた時には、わずか生後3週間でした。私は、2歳の上の娘が再び父親に会えることを望んでいます。2人の娘が父親のことを忘れずに、成長していくことを望んでいます。
私の夫は善良で、正直な人間です。人びとの困難な状況を報じるためにシリアへ向かいました。健二は、湯川遥菜さんの居場所を探し出そうとしていたと推測できます。遥菜さんがお亡くなりになったことは大変遺憾です。そして、彼の家族の悲しみをお察し致します。家族の皆様がどれだけつらい思いをされているかが、私にもわかるからです。
12月2日、健二を拘束した誘拐犯らからメールを受け取ったとき、健二がトラブルに巻き込まれたことを知りました。1月20日、私は湯川遥菜さんと健二の身代金として2億ドルを要求する動画を見ました。それ以来、私と誘拐犯との間でメールを何回かやりとりしました。私は、彼の命を救おうと奮闘したのです。
20時間ほど前に、誘拐犯は私に最新の、そして最後の要求と見られる文章を送ってきました。
「リンコ、お前はこのメッセージを世界のメディアへ公表し、拡散しなければならない。さもなければ、健二が次の犠牲者となる。29日木曜日の日没までに健治と交換するサジダがトルコ国境付近にいなければ、ヨルダン人パイロットを即座に殺す」。
これは私の夫にとって最後のチャンスであり、彼の解放と、ムサス・カサスベさんの命を救うには、あと数時間しか残されていないことを懸念しています。ヨルダン政府と日本政府の手中に、二人の運命が委ねられていることを考えて欲しいと思います。
同時に、私はヨルダン政府と日本政府の全ての努力に対して感謝しています。ヨルダンと日本の人々から寄せられる同情に対しても感謝しています。幼少の頃、、私の家族はヨルダンに住んでおり、私は12歳になるまで、(ヨルダンの首都である)アンマンの学校に通っていました。ですから、私にはヨルダンとヨルダンの人々に対して、とても親しみを持っており、多くの思い出があります。
最後に、私は、私と娘たちを支えてくれた、私の家族、友人たち、そして健二の同僚に感謝しています。私の夫と、ヨルダン人パイロット、ムアス・カサスベさんの無事を祈っています。
リンコ 出典:https://rorypecktrust.org/rpt-live/January-2015/Urgent-plea-from-wife-of-Kenji-Goto
(2015/2/4の記事を転載)
出典:https://rorypecktrust.org/rpt-live/January-2015/Urgent-plea-from-wife-of-Kenji-Goto